こんにちは
産婦人科医師の岡康子です
私3月上旬にブータンという国に行って参りました
唐突過ぎますのでちょっと説明しますね
JICAの「i-CTGを用いた遠隔医療の体制構築による
ブータン王国の母子保健強化」というプロジェクトで
招聘されブータンに行ってきました

もう少し説明しましょう
・どこ?:
ブータン王国 中国とインドに挟まれた南アジアの小国
・i-CTGって?:
胎児心拍と子宮収縮情報を遠隔地へWeb送信できる医療機器
既にブータン国内に55台導入済
・なぜ私?:
開発者が私の元上司であり、当院でいち早くi-CTGを導入した経緯から
・なぜブータン?:
極端な産婦人科医不足や地理的条件の悪さから
適切な周産期管理を受けられない妊婦が多く周産期死亡率も高い
I-CTGにより死亡率の改善が期待される
ここで団員紹介
向かって左からi-CTG製造会社の二ノ宮副社長、私
佐々木助産師(私の研修医時代の病棟師長)
一つ飛んで徳田名誉教授(団長、私の学生時代の生理学准教授)
尾形社長
これまでも他国の同様のプロジェクトで
一緒に活動してきた仲間です
さて、我々のブータン紀行を紹介しましょう
その

3/5(日) 24時間かけてブータン到着
いきなり標高と低酸素による頭痛と息切れの洗礼
これは最後まで慣れなかった

ランチはドライバーさんお勧めの餃子屋へ
餃子はすぐ北が中国であるこの国のソウルフード
やたら登場する
翌日
会議中にミルクティーに餃子が添えられて出てき時には
笑いをこらえるのに必死だった(笑った)

3/6(月) いよいよミッション開始
・JICAオフィスで打ち合わせ
・保健省訪問し保健大臣表敬
−この時の会談で、ブータンの妊婦健診の必須項目にi-CTGを入れて頂く事を
約束して頂いた−
大臣のキラ(女性の民族衣装)が美しく欲しくなった

壁には王様夫婦の写真
この後、至る所でこの写真に出迎えられる
3/7(火)
・Gidacom病院視察−県病院
なのに産婦人科医はいない
でもお産はする
マジかー

国に産婦人科医14人、県は20
当たり前だ
これは、大変な状況だと悟る
分娩室はいたって簡素
I-CTGはなんと木箱に入れ施錠して保管
神棚以上の扱い
これではだめ
機器は5年保証だから安心して神棚から出すよう指導
病院の敷地内のお寺でお祈りをして戴く
(病院内にお寺があるのが標準仕様のようであった)
・JDWNRH訪問−王様の名前の付いた国最大の病院
立派な建物の正面では薬師如来がお出迎え
14人中7人の産婦人科医がここに(どう考えてももったいない配置)
ボスのソナム医師のPCには国中の胎児心拍のデーターが送られる
その数年間7000件
ほぼスパムメール状態
見られるわけがない!
システムの見直しをすることに

・ブータン王立医科大学訪問−学長表敬訪問
I-CTGを判読できる未来の人材育成のため
看護学部・公衆衛生学部との協議
・夜はブータン料理と地ビール
スッキリしていておいしい

そういえば・・・
3年間海外はおろか県外からも出ていなかったのだが
家族以外とビールを飲むのも3年ぶり
何と感慨深い事か…
うまいはずだ
あ、大変

まだブータンの2日間しか紹介できていない
ここからがディープな本当のブータン
とてもこのブログの1話には入り切らない

「ブータン末端の医療の現状」「チベットの山々の美しさ」
「ブータン滞在中で一番おいしいと思った食事の事(意外に日本の袋○○)」…等々
聞いてほしい話はむしろこれから
今回はひとまずここまで
それでは

つづく