2024年08月23日

南の島へ”遠隔診断装置(ICTG)“を届けに行ってまいりました<パート2>

7/30(火)
活動2日目から3日間は今回の最大のミッション、ICTGの配付を行う。
先ずポンペイ州立病院。
ここにはこの国唯一の従来型CTGがあるのだが
記録用紙は既になく、陣痛計も壊れていて…。


”支援”はただ”置いてくるだけ”じゃダメなんだなーと実感。
だからここの人たちは
ICTGの登場を喜んでくれている感じが良く伝わったし、説明していた私も嬉しかった。

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州立病院と陣痛室


しかしここの産婦人科から「この機械で帝王切開増えそうね」とのつぶやき。
ドキッとした。

・ICTGでこれまで不可能だった異常が確認されるようになる
⇒帝王切開数と早産数が増える
⇒死産を免れて生産となる児が増える
⇒その児の運命は?

そうかひらめき
死産を免れた児の一定数は重症仮死や早産児として出生する。
その子たちを救命する能力がなければ、ただ帝王切開率を上げただけで終わってしまう…。
だから新生児医療の向上とセットで支援しないとダメなんだよな
と、気付いた支援って奥深い。


昼はフィリピン人がやってるビュッフェスタイルのレストランで。
結構イケた。
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フィリピンレストラン


午後はソケーズという診療所へ。
ところがexclamation×2
お願いしてあったはずなのに、ネットも上手く繋がっていないし
ボランティア妊婦もいない。
仕方がないので妊婦なしで簡単にICTGの操作法を教え
後日の約束をしてここを後にする。

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ソケーズ診療所


このWi-Fiなしexclamation妊婦なしexclamationの”ナシ・ナシ”状態は、この後受ける洗礼の、ホンの幕開けに過ぎなかった。

午後
少し空き時間があったので
伊藤先生を誘ってホテル近くのお店でコーヒーとケーキでおしゃべり。
私と彼女はほぼ初対面。
歳も一回りともうちょっと違う。
共通の話題は、古くからいる香川の先生の話題か、実務的な話くらい。

それでも結構話に花は咲き、楽しい時間はあっという間に過ぎた。
さんざん話した後、彼女に「先生の中に香川マインドを感じる」って言われた。
そう、産婦人科医として私は香川で産声を上げた。

その後、福岡⇒石川と渡り歩き、今では何やら一匹狼のような感覚もあった。
でも「そうか、産婦人科医岡にも実家あったんだー」と、嬉しく思ったるんるん

夜は助産師さんお勧めの「マングローブ・バー」へ。
道中のフォトスポットでパチリ。
やっとミクロネシアらしいのが撮れた。

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絶景とマグロづくし

湾に面したこのレストランは景色も料理も最高。
マグロのお刺身もお寿司も日本と同じくらいおいしかったキスマーク

7/31(水)
午前ポンペイ州知事と面談。
この様子は後日、知事のフェイスブックに上がる。

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州知事FB


次はこの後車でウー診療所を訪問。
この日フィジー出身の内科の女医さんがいた(毎日医師がいるわけではない)。
ここはWi-Fi環境も問題なし。
妊婦も呼んでおいてくれていたし、彼女はICTGには触れた事があり操作も問題なかった。
ここでは有効に使ってくれそうだ。

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ウー診療所とフィジーの女医さん

お昼はタリアンレストランへ。
良い景色とピザ、最高

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絶景と橘さんとピザ


この日はこの後、診療所を巡りポンペイ島を1周することになる。
次に車を30分ほど走らせルコップ診療所へ。
しかしトラブルがあせあせ(飛び散る汗)
今朝から緊急メンテナンスで通信環境はストップしていると。
確かにスマホにLTEの表示が出ない。
これは仕方がないとして、アレ、妊婦もいないexclamation&question
出た!”ナシ・ナシ”状態exclamation仕方がないので明日来ることにした。


次はコロニアからもっとも遠いところにあるウォン診療所。
ここには昨年1台導入してあり使用実態確認の訪問。
ICTGを見せていただくと…。
バッテリーは空っぽ。ガッカリだ。

とりあえず充電を始める。
ネットワークともうまくつながっていない。
妊婦もいないexclamationもう驚きもしない”ナシ・ナシ”exclamation×2

充電の間に誰か妊婦さんを呼ぶよう頼むと一人来てくれた。
で、ここはちょっと先輩風を吹かせて伊藤先生に
「ね、ちょっと説明してみなよ」と振る。
若干戸惑いながらも彼女は英語での説明に果敢にチャレンジしていた。

基本振られたらNoとは言わない、これも香川マインドだ。
彼女も同じ実家の子だね、とニンマリした。
最後に「どんどん使って。日本で見てるから。」そう言ってウォンを後にした。

やっぱり国際支援って物を置いてくる事じゃなくて
むしろその後が本番なんだという事を再認識支援、本当に難しい。

夜は夕涼みがてら、海沿いにあるオシャレなカフェまで歩いて行って、思い思いの夕食を頂く。
美味しかったキスマーク

8/1(木)
この日もWi-Fiの準備が出来ていないし妊婦もいない。
もはや腹も立たない”ナシ・ナシ”exclamation

挙句に果てには「今日緊急メンテらしい」って。
絶対うそだ。スマホにはLTEの表示がバッキバキに立ってるもん。
神原さんが何とか設定を行い
我々は仕方なく妊婦っぽいスタッフのお腹を使ってデモンストレーションを行って
この診療所を後にする。

「・・・」。
なかなかスムーズにいかない事に若干無口になっていたBHNのお二人は
「海外ではね、日本の常識をそのまま適応してはダメなんだよ」と。
さすが先輩!
「スミマセン。私、懐が小さすぎました。」


気を取り直し(何度目?)、ホテル近くのレストランで昼食。
私はロコモコ。想像とは違ったけどおいしいぴかぴか(新しい)

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ロコモコ


そんな中、私は皆にある告白をした。
「私今日誕生日なんです」。
すると橘さんは「じゃー、奢ってくれるの?」って…。
そう。諸外国では誕生日の人が奢る習慣の国が多いらしい。
でも私はザ・日本人。
「嫌だよ」と断る。

でも神原さんがケーキを一つたのんでくれて皆で分けあった(お腹一杯だったので)。
ささやかな誕生会?だったけど
こんな珍しいところで誕生日を迎えられる私は本当に幸せ者だ!
(神原さん、ケーキ代払ってないわ。奢りでいいですね?わーい(嬉しい顔)


さて
午後一番は、前日メンテで通信がダメだったルコップへ2回目のチャレンジに。
通信状況は回復していた。
妊婦はいなかったが
助産師ペルティナが気を遣って妊娠中のいとこを連れて来ていた
(その手があるならもっと早く使って欲しかったなー)。

機材の設定とスタッフへのICTGの指導を行い
ここでも「たくさんデータ待ってるね」と言い残して去った。

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2回目ルコップ


次はポンランガス診療所。
ここはウォン同様、昨年1台導入済である。
しかもスタッフの一人は6月の日本研修に来た人。
彼女のICTG操作は完璧。Wi-Fi環境もOK。こでのICTGの活用は大いに期待できる。


夜はハイドウェイ・バーというなかなか雰囲気のあるレストランへ。
ここの名物のハイドウェイディナーと天然のココナツを注文する。
ココナツは一度飲んでみたかったのだが…。
1回でいい。
食事はマグロの刺身とフライ、フライドチキンとご飯。このパターンの定食多い。
「マグロづくし定食」これ、国民食なのかもしれないな。

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ハイドウェイ・バー

これで今回のミッションのメインは終了。
なかなか思い通りにはいかなかったが
それも含めて様々な学びもある真ん中3日間だった。


さて、翌日は締めの作業。
残りは最終回。
2回でまとめられなくてごめんたらーっ(汗)
では手(パー)



posted by kataro-sa at 16:38| 日記