2024年08月27日

南の島へ”遠隔診断装置(ICTG)“を届けに行ってまいりました<パート3>


8/2(金)
いよいよ実質的活動の最終日。
この日の朝は、ゆっくりで良かったので、前日に買ったパンではなく
伊藤先生を誘って、ホテル近くのモーニングやってるカフェに行ってみた。
パンケーキセット。

ん〜結構普通。
で、9ドル(ドリンク別)。モーニングなのに30分も待ったし…。
明日はまたパンと牛乳でいいな。

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カフェ朝食と大使館


午前の予定は大使館訪問。
籠宮大使と面談。
せっかくの機会だからとICTGの事、石川県でも奥能登で運用している事
地震でも活躍した事など紹介した。

そこで
「ここの診療所を回ってみてどうでした?」とおっしゃるので
正直に大変だった話をすると、やっぱりね、といった反応。
大分、分かってきた。

国際貢献とは
支援と並行してその国を知る事、慣れる事、受け入れる事なんだなーとひらめき


大使館近くのカフェでちょっと休憩して海辺のレストラン、フュージョンへ。
ミッション最終日のランチはミクロネシア側からご招待。
ロケーション最高、料理は普通。
ここで我々皆に花冠、レイ等のプレゼントが。
欲しいと思ってたヤツだから嬉しい揺れるハート

ただ、私と伊藤先生の花冠は
バナナだかトウモロコシだか分からない黄色いデザインのもの。
男性陣は華やかな花の冠。
何故だexclamation&question(後で男性陣から花冠は譲ってもらったんだけどね) 
そしてみんな花冠を載せたまま食事をする。

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ご招待ランチ


そのうち乗せてる事も忘れていた。

その食事中に保谷さんの声かけで、真面目な議論が始まった。
どうすれば診療所のスタッフが積極的にICTGを使ってくれるのか…。
「今だひらめき」と思った。
勇気を出して話す。

「彼らにはICTGの使い方は教えたが、いかに役立つ機械かを知らないです。
そこでお願いがあります、Drベルマリス(産婦人科のボス)。
送られてきたICTGデータに対してフィードバックをしてあげてほしいのです。

お電話で『今のBabyは元気だよ』とそれだけ言うだけで
診療所のスタッフは遠隔診断の意味を知ると思うのです。
そしてICTG装着のモチベーションが上がると思うのです。」
これにはベルマリスもうなずいてくれた。

助産師ペルティナは拍手もしてくれた(すごく小さかったけど)。
嬉しかった黒ハート
我ながらいい仕事をしたなと思った。
で、気付いた。
頭にトウモロコシを乗せたままだったふらふら。ねー、誰かゆーてー。

午後はそれぞれ必要な時間を過ごして、夜は中華料理屋さんへ。
マーボー豆腐、餃子、チャーハン…どれもおいしかった。
ただ、ラーメンを除いては。
ラーメンはもはや日本食。あれは日本で食べるべし。

8/3(土)
この日は帰国日だが深夜便の為、実質最終日にして休養日。
国唯一の世界遺産であるナンマドール遺跡に行く。
これは
いつ、誰が、どうやって、何のために作ったのか
ほとんど分かっていないミステリアスな遺跡だ。

メイン道路から分かれて
ナンマドールに近づく数キロの道は全く舗装もされておらず
とてつもなくガタガタだった。
しかもそこは私有地で住人らしき人が1人3ドル取る。
お金取るならもっと舗装しませんかねー。


さて、マングローブの森をかき分けて
浅瀬を渡り、遺跡に辿り着く。
何やらすごいんだけれどもミステリアス過ぎてちょっと興味も湧きにくいのが本音。
遺跡の裏に回る。

最終日にして私の見たかった(のに近い)景色が現れた。
青い海、広い空、透明な水…。
でも透明すぎて大量のナマコがはっきり見える目
やっぱりこの海には飛び込みたくない。

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ナンマド―ル遺跡


そして来た道を戻り、帰りもなぜか1人1ドル払い帰る。
土産物屋もカフェもない。
そして思った。
この国のこういうところだ。
この私有を国がバーンと買い取って
道路も駐車場もトイレ休憩所も整備して観光客を呼び込む。


ナンマドールに限らない。
街に一つショッピングモールを作り
土産物屋、郷土料理を中心としたフードコート
南国のフルーツいっぱいのスイーツ店、伝統の歌や踊りを紹介するカルチャーショー…、などなど作る。

そうすればもっと外国人観光客を呼べる。
外国人がお金を落としていけば
この国は豊かになるし、農園や製造業などの雇用も生まれるだろう。
しかし誰もやらない。
何故だ?考えてみる。

この国は過去の大戦以降、長く外国の統治を受けてきた。
そんな歴史の中で染み付いた支援慣れ。
下手に自活能力をつければ支援は打ち切られかねない。

自活の必要性を感じていないのか…。
それではダメだ。
その考え方から入れ替えるなら
あのバスケ少年たちに対する初等教育から支援すべきではないのか?

考えれば考えるほど果てしなくて
車に酔いそうになってきたからがく〜(落胆した顔)考えるのはやめることにした。


お昼は保谷さん、橘さんがまだ行ってないので2回目のマングローブ・バーへ。
そろそろマグロにも飽きてきたのでバーガー。
これもなかなか結構美味い。
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最後の外食ハンバーガー


午後はホテルに帰ってシャワー、帰りの準備、仕事など思い思いの時間を過ごす。
夜はホテルのレストランでカレー。
夜10時ホテル発。
0時過ぎのフライトでヤップ経由で未明にグアム着。
ミクロネシアでは全然土産物が買えなかったから
せめてグアムで南国らしいお土産を買い込んで成田行きに乗り込む。

8/4(日)
朝、成田着。ここで解散。
私は東京駅へ移動し新幹線で小松へ帰る。
午後小松着。

…ふと、ポケットの電話が鳴る。
手術室からだ。
「1件目の手術もうすぐ終了します。間もなく2件目の搬入です。」
exclamation×2そうだった。
急患の手術の決定、段取りをしなくては…。
至急産婦人科医3人でカンファ。
緊急手術は満場一致で決定。
3件目に入れてもらおう。

さて、まだ緊急の患者に手術の説明はできていない。
麻酔科医への連絡もだ。
えーっと、何からすればよかったっけ?とろけた頭はまだ回っていない。

すると若い先生が
「先生は次執刀だから準備してください。
我々の一人が助手に入り、一人が外来で患者説明などをしますよ。」
「じゃ、お願い」。
今日は若い人たちの言うとおりに動いた方がよさそうだ。


南の島は夢だったのだろうか?
いや、もしかしたらこっちの世界が夢なんじゃないだろうか。
だとしたら覚めた方がいいのか覚めない方がいいのか…。


時間がないのに下らない事を考えるのはやめた。
手術の準備を始める。
手を洗いながら考える。
また当分、こっちの世界でお世話になる事になりそうだな…。

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夢?現実?


最後にいつものセリフだけど…。
私に渡航のチャンスをくれたICTG発案者の原先生
渡航と許してくれた新多病院長<
不在を守ってくれた産婦人科の松岡/中島両先生
書ききれないんだけれど私を支えてくださっているすべての方々
本当にありがとうございますぴかぴか(新しい)ぴかぴか(新しい)

私は本当に幸せ者です。
そしてそして、カタローサブログの北野看護師さん
私の海外活動の紹介のチャンスをくれて本当にありがとう。
これがないと私が南の楽園で楽しんできたようにしか見えない人もいると思うので
かなり助かっています。
これからも
短文にまとめるのは無理かも知れないけれど、呆れないで
どうかよろしくお願いします。

追伸
ミクロネシアの民族衣装はこんな感じ。
長髪お団子、花冠、レイ、上半身は裸、下半身は藁の腰巻。
ブータンの”キラ”は好評を得ましたが
今回はご披露はできませんので…。わーい(嬉しい顔)

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民族衣装。イメージです手(チョキ)

posted by kataro-sa at 15:02| 日記