2024年12月27日

「ミクロネシア再び・・・」後半です

(12/3(火)続き)
ICTG寄贈式典→州立病院の次に訪問したコミュニティーヘルスセンターでは
使い方が超雑なうえに
「しょっちゅうアラームがビービー鳴るけど壊れてんじゃないの?」と言いがかり。
「壊れていませんよ。
まず心音計の位置を微調節してベストポジションを見つけたらベルトで固定します。
それから送信を始めるの。
あ、陣痛計のゼロセットも忘れずに。
それから20分以内に計測をやめてはいけませんよ。」
あ〜。大変だふらふら


<コミュニティーヘルスセンター>
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12/4(水)
この日のスケジュールは世界遺産ナンマドール遺跡訪問に充てられていたんだけれど
これに加えて診療所二つの訪問も追加した。

まずはポンランガス診療所。
ここには以前小松市民病院に見学に来たジョサリーンがいる。
ここの使用は完璧。
そう言えばDrエシも言ってた。
施設やスタッフによる差も大きいって。
ジョサリーン、これからも頼むね手(チョキ)

<ポンランガス診療所のジョサリーン>

画像2.jpg

この後はお楽しみナンマドール遺跡。
ここは前回レポートしたので割愛。
遺跡の後に、ケピロヒ滝にも行った。
この滝は結構すごいぴかぴか(新しい)
心が洗われた。(だけど1人10ドルはちょっとお高い。)

<ケピロヒ滝>

画像3.jpg

さて、30度近い気温かつ小雨の中、海上遺跡
⇒滝へと移動した我々の体は、汗やら海水やらでびしょぬれだった。

が、そこは我慢して次の診療所、ルコップへ。
充電ゼロにてICTGの電源が入らない。終わった…たらーっ(汗)

どうやら今は妊婦がいないらしいが
以前のグラフを見ると、心音が拾えてなかったり記録が短かったり…。
しかも登録ミスで、Drのフィートバックメールも届いていなかった。

Drエシの言っていた施設は多分ここだ。
早速神原さんがメール登録をし直し
私は次妊婦が来たときのためにICTG取り扱いの基本を教えた
(ここでも8月に教えたんだけどなー)。
計測後のDrエシからのメールチェックも指示した。

12/5(木)
午前は、診療所訪問部隊と、官公庁表敬部隊の二手に分かれる。
私と神原さんの診療所部隊は、助産師ペルティナの案内で、まずWone診療所へ
ここは前回0点だった所。

ところが意外に(?)使用状況は良かった。
モニターはきれいに取れているし、使用回数も多い。
Drエシのフィードバックメールもリアルタイムで反応している。
100点だるんるん
妊婦の数も多いらしく
診察室を占拠するのが悩みだと言うので座ってモニターできる事を教えた。

「それなら待合室でも出来るわね」と喜んでくれた。
ここは1台増やしてあげたい。
また、偶然に状態の悪そうな胎児心拍波形を見つけた。
聞くとモニター後、州立病院に行き、その後診療所には来ていないという。

30週で深刻な異常となる前に発見されているからきっと児は助かっただろう。
ICTGがなかったら、診療所でこの異常は発見の術はなかったはず。
グッジョブ!と伝えた。
ミクロネシアでICTGが具体的に機能した症例だ。
うれしい揺れるハート



画像4.jpg

次の診療所ソケーズへ。
ここも前回さっぱりダメだった所。
12時前だというのにランチでほとんどのスタッフは不在。
嫌な予感しかしない。
案の定、ゼロ充電。
充電ケーブルも行方不明。
さすがに助産師ペルティナが切れた。

「来週また来てやっから、せいぜいこの取り説読んどくんだな!」
みたいなことを現地語で言って取り説を放り投げた。
私はペルティナがようやく本気を出してくれた事がむしろ嬉しかった。
頑張れ!ペルティナひらめき

<ソケーズ診療所で電源が入らなかったICTG>

画像5.jpg

最後はU診療所。
聞くとここには現在妊婦はいない。
従って最近の使用もない。
ICTG再配分のためペルティナは早速機材を引き上げる。
いいぞひらめきペルティナ、その迅速さ。再配分頼んだよ!

神原さんと遅い昼食を済ませて、官公庁訪問部隊と合流。
15時〜オールスタッフで最終ミーティングだ。
にICTGを導入してから今日までの使用の振り返りと今後の展開の話し合う。

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問題点@産婦人科医と診療所スタッフとのコミュニケーション不足。
→メール登録のし直しとコミュニケーション方法のルール化。

問題点AICTGの不良な使用法。
→基本的操作方法の再教育(今回実施)

問題点BICTG配置のアンバランス
→妊婦数を把握の上、ペルティナが再配分。

問題点CICTGは30週以降でよいというDrベルマニスの意見
→この国は28週1000gの児は救命しうるが26週800gの児は厳しいとのこと。
28週以降の使用で意見が一致。

問題点DICTG導入6年目以降ミクロネシア側にサーバー利用料が発生する件。
→それまでに周産期死亡率の減少などの実績を上げ予算化を目指す。
 セメンソンは診療所間の定期連絡会を開催と
意見交換や状況の確認を約束してくれた。

問題点Dが最大のネックで
持続可能性のためには国家予算化
そのためには5年以内に周産期死率改善という数字を出すことが必須だ。
でもコレ、決して難しいことではなくて
正しくCTGを取りまくって、Drエシには判読しまくってもらえばたちまち結果は出るはず。
本プロジェクトは終了するが、ちょっと気にかけていきたいと思った。

夜は最後の晩餐。
もうこの国に来ることはないのだろうなーと思うと何だか物悲しくなったもうやだ〜(悲しい顔)
でも、前回も行ったマングローブバーでボツボツおいしいお寿司を頂いているうちに
そんな気分は忘れていた。

<なんとかロール。100円寿司くらいのクオリティーはある>

画像7.jpg

出発の日。
そういえば波乱で幕を開けたこの旅も
いつの間にか不調から抜け出せていたではないか。
「挽回するぞ!」という気持ちは誰も知らなかったと思うが
「診療所回ろうよ」って辺りから、私的には挽回できたかなと思っている。
できるだけのことはやった。

帰りも一波乱。
我々の搭乗機が30分遅れてポンペイに到着するわあせあせ(飛び散る汗)
経由地のチュークでは30分ほどかけて機内検査するわあせあせ(飛び散る汗)…。
どうしてグアムで45分しかない乗り継ぎに間に合ったのかはわからないけど

「岡様、搭乗口へお急ぎください」ってアナウンスされながら羽田行きに飛び乗れた。
 
毎回同じながら、最後に謝辞を。

開発者の原先生、刺激的な機会を与えてくれてありがとうございますぴかぴか(新しい)
新多病院長先生、今回も渡航を許可をありがとうございますぴかぴか(新しい)
松岡、中島両先生
私がいない間、膀胱が癒着でベタベタだった帝王切開を頑張ってくれてありがとうぴかぴか(新しい)
二人なら大丈夫ですね。かわいい
メロディ社さま、私のようなものを、また招聘して下さりありがとうございますぴかぴか(新しい)

私にかかわってくれている全ての方々、ありがとうございます。
私は幸せ者です。
最後にブログの北野看護師さん。
ICTGにかかわっている人の中には
紀行文ははまだかと心待ちにしてくれている人がいます。
他にもアップしたい話題がたくさんあったと思いますが
長文のアップ、本当にありがとう。

みなさん、またねキスマーク


posted by kataro-sa at 15:45| 日記